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イセザキ書房が8月15日に休む理由

フィリピン、ルソン島とマニラ湾

年に一度、すべての思いを捨て、空と気と緑の樹木の中で独り静かに心を洗います。

特別の日

昭和20年8月15日水曜日、私は国民学校の6年生でした。

卒業する時は小学校、そして学区制のしかれた女学校へ入学し、同じ学校で6年間(中学・高校)学んで、昭和27年3月に高等学校を卒業しました。敗戦による学校制度変化のど真ん中を過ごした世代です。

玉音放送のラジオから聞こえてくる昭和天皇の声はよく分かりませんでした。只、戦争に敗けたという事ははっきり分かりました。なぜ敗けたの? なぜ日本が敗けるような事になったの。 涙がとめどなくあふれてきました。 私は日本が勝つという公の報道をひたすら子供心に信じていましたから。

運動場は端から端まで子供達の手で掘り起こし、芋を作り、大根を作る畠にしました。川土手にも芋を作り、各組競争で農作業をやりました。まだ10才前後の児童を使って教師も一緒になって食糧増産の一助と考えて頑張りました。これも戦争に勝つためだと信じて已みませんでした。

何も分からぬ子供心に、あんなに一生懸命お国のために働いたのにどうして敗けたの・・・と思ったのです。私はどうしていいか分かりませんでした。ただただ悔しくて悲しくて涙が止まりませんでした。

今から考えるとマンガみたいな話です。

 

漁業に従事していた父はそのためもあってか昭和18年に召集令状が来て海軍にとられ、終戦の2ヶ月前にフィリピンのルソン島で戦病死しました。

その後平成3年には夫も世を去りました。

以来、私は終戦記念日である8月15日を特別の日(戦前の日本が死んだ日)として店を休み、独りで神に祈る日といたしました。

今年(2008年)は三浦で亡夫の墓参りをして、鎌倉の円覚寺で無念無想の3時間を過ごしました。

 

1年に一度すべての思いを捨て、空と気と緑の樹木の中で独り静かに心を洗います。

 

人生70年余り生きてみて一番大切な事は、誠実に生きる事だと確信しております。

 

イセザキ書房

店主 佐藤智子

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